ミョウバンを使った体臭予防
■ミョウバンは最も古くからあるデオドラント剤です。
ミョウバンは、漬物の発色剤や麺のかん水として広く使われている食品添加物で、スーパーやドラッグストアなどで売られています。
ミョウバンは、カリウムやアンモニウムなどの金属とアルミニウムなどの金属が硫酸塩の形で結合した複合塩の総称であり、市販されているものは工場で合成したものがほとんどですが、自然物としても採取されます。
古代ローマ人は制汗剤として日常的にミョウバンを利用してきました。
つまり、ミョウバンは世界最古のデオドラント剤でもあるのです。
現在、日本でもミョウバンの結晶に細菌作用のあるフェノールなどの化学物質を配合させ、自然に近いデオドラント剤として販売されています。
■ミョウバンが体臭に効くメカニズム
ミョウバンは水に溶けると酸性になるという特徴があります。
ニオイは皮膚表面の雑菌が汗の成分を分解することによって発生します。
皮膚が酸性であれば、殺菌の繁殖が抑制され、結果的に臭いが抑えられるのです。
正菌作用にとどまらず、より積極的な殺菌作用もあります。
次に、収れん作用、つまりミョウバンの制汗作用です。
ニオイ成分の含まれた汗を抑えられれば、当然ニオイも抑えることができます。
ところが、このミョウバンの制汗のメカニズムはあまり解明されておりません。
アルミニウム塩が汗腺の導管周囲に炎症を起こし、道管を閉塞させるのではないか。
ジェル状になったアルミニウム塩が道管に入って出口を塞ぐのではないか。
または汗腺の道管部の透過性が高まり、汗を再吸収してしまうのではないか。
さらには、ミョウバンのタンパク質変性作用で表皮の角質が角化するからではないか、など様々な説があります。
おそらくすべてが制汗にかかわっているのではないかと考えられています。
第三は、皮膚上で作られた臭いそのものを消臭する作用です。
ミョウバンには様々な金属が含まれていますから、酸化還元反応による金属消臭が行われたり、ニオイ成分の中和による消臭も行われます。
特に、ミョウバンは酸性なので、アルカリ性のニオイ成分であるアンモニアに対する消臭作用は特異的で、汗臭さを抑えるのに非常に有効です。